大阪 スタジオ タイルカーペット 日々つれづれにだらだら生きる。 冬の新刊の通販を開始いたしました+更新しました+落とした原稿のチラ見せ。
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冬の新刊の通販を開始いたしました+更新しました+落とした原稿のチラ見せ。

2011.01/11 *Tue*
どーしよっかなーと思っていたのですが、冬の新刊の通販を開始いたしました。
何で迷っていたかと言いますとね、ぺらいから。
こんなぺらい本一冊のために、わざわざ面倒くさい手順を踏んでくださるかたに、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいで、迷っていました。
ただ何回も言っていますが、自分自身地方民のためにあまりイベントに行けないので、通販って非常にありがたい存在です。
イマドキ振込方法も多種多様ですし、手数料とかなるべくかからないようにして、申し込んでくださるかたの負担を減らしたいんですが、全ての皆様に万能な方法ってなかなかないですよねぇ…。ネットバンク作ろうかと思いましたが、正直これ以上ツールを増やすと、わたし自身が管理できなくなってしまうんです。
なのでゆうちょ振込と郵便振替だけにさせていただきます。小為替は一回事故ったので怖い…。

それでもいいよって仰ってくださる方はどうぞご利用くださいませ。
本当にいつもありがとうございます。

最初に刷った数だけで本当はやめようかと思ったんですが、あまりにも少なすぎるかなと思い、とりあえず通販のお申し込みを頂いた分は刷ります。冬コミとインテで実はもう手持ちがないんですよぅ。

1/12追加です。Novelページに新年SSをアップしました。1月末までの限定公開ですので、よろしければどうぞ。

おまけというか、続きに少しだけ、今回見事にすこんと落とした「はつ恋」冒頭部分を載せておきます。
興味をもたれましたら続きをクリック。

冒頭だけだと何のカップリングの本だかわからないというね。ミッションカラーを強くしすぎて自分の首を絞めました。資料が…!!!!!







『…百二十万ドルで、No.9落札されました』
「えー、あんな汚いガラクタみたいな壷に!?」
「おいヒロ、そういうこと言うなよ。あれは殷代の壷で、美術的な価値だけじゃないんだ。歴史的にも学術的にも一級品だよ。そもそも殷代っていうのは…」
「あーもう、亮ちゃんの薀蓄うざーい、聞き飽きたー!」
「ちょっとにゃんこ、もう少し静かに見てられないんですか?」
「百二十万ドルっていくらくらいッスかね。牛丼何倍食べられるッスか?」
「そうだね…、当時のアメリカドルが百三十円程度と考えて、一億五千六百万、ってところかな。死ぬまで太陽が大好きな牛丼とラーメンを食べ放題にしても、ゆうに余るよ」
「くだらないもので換算するな」
 うす暗い作戦室の中で回る古いフィルムの中、グリフのいつもの光景とも言えるやりとりが繰り広げられる。退屈そうにあくびをする興さんや太陽、黙ってただ画面上のやりとりを見つめる慧、かたかたとキーボードを動かしつつも、画面チェックを忘れない桐生さん。
 流れている映像は、今回のミッションに関する、随分昔のオークション。その映像自体は、ここ、魁堂学園美学行動科内では特に珍しいものじゃない。ただ主催者がサザビーズやクリスティーズのような民間団体じゃない、ひとつの国家だということを除けば。
 中華人民共和国。それは世界に類を見ない、骨董品や美術品の宝庫。その長い歴史の中で、歴代王朝が所有してきた数々のコレクションを、長年の共産体勢による困窮のせいで、国自らが首都・北京にてオークションを開催して売却した。それが、一九九二年秋のことだという。
「…ほら、出た。依頼品だ」
 亮一さんの少し緊張した低い声に、室内の空気が引き締まる。画面に現れたのは、色とりどりの宝石で飾られた、耳飾りと簪。三つの大きなルビーは、おそらくピジョン・ブラッドと呼ばれる最高級のルビー。深い紅に吸い込まれてしまいそうな輝きを秘めているのが、古びて僅かにノイズがかかる映像の中からも伺えた。
「あ、すごーい。綺麗だね。細工が細かいなあ。宝石の大きさもそうなんだけど、細部へのこだわりが凄いよ、コレ。ほら、金細工もすごい。…蝶、かな。ちょっと見づらいけど。こういうのならわかるんだけどなー。あんな汚い壷なんかよりもよっぽどキレイだし、価値がわかりやすいじゃん」
 乱れた画像の中からも、きちんとアウトラインを見定めることができるヒロの眼力に感心した。興味があるものだからとは言え、お世辞にも画像は綺麗とは言えない。きらきらと目を輝かせて夢中になって画面を見入るのは、ミッション関連ではとても珍しい。
「大きなルビーが印象的だね…。ああ、興、寝てないで、ちゃんと見てくれるかな。最終的には、たぶんこれを作ってもらわなくちゃいけなくなると思うから」
「ん、わかった、りょーいち」
 さっきまで眠たそうだった興さんの顔が、途端に真剣なものに変わる。グリフが誇る、いや、マニュスピカ本部からもその実力を認められた、天才贋作師。完成度は多の追随を許さず、彼の作った贋作をそうと見抜けるのは、『トゥルーアイズ』くらいのものだと言われている。
 つまり、俺。
「…で、にーさん。この依頼品のいわれは?」
 俺の隣でずっと黙ったまま画面を見ていたディオが、口を開いた。
「…ああ、そうだね。説明しようか。これは中国・清朝の頃の作品だ。だから、このオークションにかけられている美術品の中では比較的新しい」
「かなり身分の高そうなひとの持ち物みたいに見えますけど…。だけどこんな大きな宝石は、そうそう手に入るものじゃないですよね。相当の高官か…もしくは皇帝の所持品」
「いい線ついてるね。依頼人曰く、元は皇帝からの下賜物だったそうだよ。代々受け継がれてきた、大切な品だそうだ。ちなみに依頼人は…台湾の事業家だ」
「あぁ、台湾? 台湾人の持ち物が、なんで中国政府が主催するオークションで売っぱらわれてんだよ」
「まあ、難癖つけて接収、ってのはあの国ならやりかねませんけどねぇ。こんな国主催のオークションをやらなくちゃいけなかったほどに、長年の共産体勢で困窮しきった国ですし。国宝を売りさばくことに良心の呵責なんてこれっぽっちもないでしょ」
 何かを考えるように、そっと窓の外に視線を投げながら、侮蔑の色が混ざるため息とともに眞鳥さんが呟いた。このひとは時折、国家というものにとても辛らつな感情を投げつけるときがある、と思うのは俺の気のせいだろうか。どこか呆れたような言葉の端々に、時折鋭いナイフのようなものを潜ませ、ざくりと切りつける。何か含みのある笑顔の向こうにあるものを、俺はまだ見抜けない。つかみどころのないひとへとそっと視線を向けても、本心がまるで読めないその笑顔にかわされるだけで、答えはやっぱりもらえない。
「依頼人の祖父が、蒋介石について台湾に逃れた国民党の高官だったそうだ。逃げるごたごたで、手放さざるを得なかった品物だろうね」
 清朝が滅んだ後、国民党が中華民国を立ち上げた。第二次世界大戦後、国民党と共産党の内乱が勃発し、敗れた蒋介石率いる国民党は、台湾に逃れ、中華民国を再び立ち上げた。以後二つの中国は国交を断絶し、交わらない平行線の関係を続けている。
 その際に、国民党の高官が逃亡資金として金のほかに紫禁城から持ち出したのが、歴代王朝のコレクション。量も質も生半可なものじゃない。その歴史的・芸術的価値が高いコレクションが、現在台北の故宮博物院に展示されている。ただしそれはほんの一部。残りは全て、高官の一族が隠匿してしまった、といわれている。実際に台湾政府も、中国政府すらも、その行方を把握しているわけでもなさそうだ。現に俺だってこの学園に来るまで、闇に埋もれた美術品というものがこんなにもたくさんあるなんて知らなかったし、秘密結社なんて組織は夢物語の存在だと思っていたのだから。事実は小説より奇なりとはよく言ったものだ。
「いくら台湾人だからって、手を回せば間接的に招待状を手に入れることも、代理人を潜り込ませることも可能だろ。これだけのものを所有する一族なら、その程度のコネくらいあるんじゃねえの?」
「そう。その方法で、依頼人はなんとか一族の手にこれを取り戻した。けれどどこの世界にも、裏切り者は存在する。ちょうどそのころ、遺産相続で一族内で争いが発生し、せっかく取り戻した品は持ち出され、オークションにかけられ売り飛ばされた。宝は再び流出し、行方不明となった。ただ、この依頼品はいわくつきでね。この二十年足らずで、わかっているだけで五人もの人間の手を渡り歩いている」
 ひとところにとどまらない品。まるで品物が持ち主を選んでいるようにも思える。けれど美術品がそうやって流れ流れていくことはそうそう珍しいことじゃないと、ここに来て嫌というほどに理解した。巡る因果のように不思議な巡り方をする美術品たちは、まるで何か大きな意志のもとに動いている気すらしてしまうほどに。





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テンプレート配布者: サリイ  ・・・  素材: HELIUM  ・・・ 
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